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さっち式 作詞マニュアル

作詞フロー

1.テーマ・方向性を決よう!

ジャンル」「シーン」「キーワード」「登場人物」の4つを決めましょう!

必ず全て決める必要はありませんしどこから決めてもOK!思いついたことや自身の書きやすいことからどんどん決めて、アイデアを膨らませていきましょう。

・ジャンルを決める

どんな内容の歌詞にしたいのかを自由な発想で決めてみましょう!
歌詞に明確なジャンル分けがあるわけではありませんが「どんな歌詞なのかを一言で表すなら?」ということを考えてみるとよいです。どんな内容をどんな展開で歌詞にしたいのかを決めていくと、方向性が絞れて来るのでアイデアも出しやすくなります。可能な限り具体的に出してみましょう。

例:
・君ならまだやれるはず応援ソング
・少しは休んでいいんだよ労いソング
・なかなか彼が振り向いてくれない恋愛ソング
・あの頃バカやって笑い合ったよね友情ソング
・いつかてっぺん取ろうぜ青春ソング
・両親に感謝を伝えたい結婚ソング
・うまくいかないこんな社会への不満ソング
・ずっと続いてほしい君と僕のほんわかした日常ソング
・黙ってついてこいオレ様系ソング
・どうせ私なんかメンヘラ系ソング
・こんな失敗しました!とにかく笑えるおバカなネタ系ソング
・あの子の良いところをみんなに知ってほしい推し布教ソング

・切り取る瞬間やシーンを決める

ショートストーリーを書き出してみましょう!
作詞をるすには「ストーリー」が欠かせません。「どんな場面を中心に歌詞にするのか?」を短くてもよいので決めていきます。

物語を構成するのは「内面描写」と「背景描写」の二つ!
具体的には「いつ」「どこで」「誰が」「何をして」「何を思い」「それからどうした」を決めていきます。

日常の1シーンだったり、小説・漫画、1枚の写真・絵に物語をつけるようなイメージ。その瞬間に何が起きて誰が何を思ったのかを具体的に想像して書き留めていきましょう。
実体験や誰かに聞いた話、自身の想像や妄想を膨らませながら細かい描写まで決めて行きましょう。

思いつかない時や初めて書く場合は、既存の小説や漫画の物語を題材にして練習するのもよいと思います。作詞に慣れてきたら自分の実体験や想像を元に物語を作り上げ、歌詞に変えていくということをしていきましょう。


物語例:

彼女からの突然のさようなら。
無力な僕は、立ち去る彼女の背中が見えなくなってもその場をずっと動けないままでいた。
もしも僕が「嫌だ!」と叫んだら、君は考え直してくれただろうか?きっと届かないその願いを僕は口に出すことさえできなかった。
こうなることはなんとなく分かっていた気がする。心にぽっかりと開いた穴を埋めるすべを知らない僕は、ただただ遠くの空を眺めていた。
終わったことだと認められたら少しは楽になるのかもしれないけれど、今の僕にはまだできそうにないかな。

物語の構成要素

・キーワード決める

キーワードは物語のアクセント!
必ず決める必要はないですが、「物語」をより印象的なものにするために考えてみましょう。重要なアイテム・出来事・言葉など、何か重要な一つのキーワードにフォーカスして歌詞を書くことで、違った視点が生まれより豊かな歌詞になります。
一曲にいくつあってもよいのでタイトルやサビの一番聞かせたい部分でも使えそうなものを書き出してみましょう。

例:
指輪 → あなたがくれた大切な指輪 テーブルの上に置かれたまま
約束 → あの日の僕らが交わした約束、忘れたことは一度もなかった。そして今やっと…
花束 → 手に取ったバラの花束は白のドレスによく映える

・登場人物の詳細設定を決める

自分を含め登場するすべての人の設定を決めてみましょう!
年代・性別・性格・境遇・感情・行動などの特徴を必要に応じて具体的に決めて行きましょう。

例:
私 = 高校生3年生、女子、片思い中、不器用空回り、気付いてもらえない、卒業したら離れ離れ
君 = 同じクラス、サッカー部、背が高い、笑顔がかわいい、いつも寝ぐせ、左利き、他に好きな人がいるのかも…

2.単語・短文を集めよう!

テーマ・方向性が決まったら、より具体的に「物語」を想像しやすくするための言葉や短文を書き出してみましょう!
すべてを歌詞に使う必要はなく100書いたうちの1つ2つでも使えるかもしれないので、とにかく思いついたものを書き出していきます。

作詞を進めながらでも、アイデア膨らませながら思いついたものをどんどん書き足していきます。
実際に曲が完成するまでは曲・メロディ・歌い手との兼ね合いで歌詞の変更をすることもよくあるので、いろいろな視点から利用できそうな言葉を集めることが重要です。

例:
ジャンル → 青春ソング・恋愛ソング
場面 → 二人並んで自転車をこぐ、学校の帰り道
キーワード → 自転車・まだ帰りたくないな


単語・短文  →
自転車・二人乗り・登下校・通学路・帰り道・少し寄り道・遠回り・タイヤ・車輪・ブレーキ・ペダル・サドル・荷台・ハンドル・ かご・ サビた・曲がった・ へこんだ・穴の開いた・うるさいブレーキ・泣き虫のブレーキ・ 駐輪場・待ち合わせ・いつもの曲がり角・風・ 空・雲・君と同じ自転車など

3.歌詞を書き始めよう!

ここまで準備ができたら歌詞の形に変えてみましょう!
実際の作詞では、あらかじめ曲やメロディーが用意されているかいないかで書き方が変わってきます。
まだ曲が無い場合は特に気にする必要はありませんが、後から曲をうまく当てられずに歌詞から書き換えるということも起こりえます。可能な人はメロディーを想像しながら進めるとよいかもしれません。
すでにメロディやその譜割が決まっている場合はそれに合わせた文字数で書く必要が出てくるので注意が必要です。
経験を積むことで、どう書いたらうまくはまるのかが見えるようになってくるので、とにかくたくさん歌詞を書いていきましょう。

・書く順番や展開を考える

どのセクションから作詞をしていくのかを決めてみましょう!
サビに一番表現したい内容が書かれることが多く全体の流れを作りやすくなるので、慣れるまではサビから書き始めると進めやすいかもしれません。もちろん曲の冒頭だったり、その他のセクションから書きたい場合はそれでも大丈夫です。

全体の流れや展開に決まりはないのでどんな構成にしてもOKです。
例えば、Aメロで誰かの今の状況を説明をしたものが伏線となってBメロ・サビに向うにつれて徐々に回収されていくような形だとうまくまとまります。

例:
Aメロ=いつ、どこで、どんな人が、どんな景色で?

Bメロ=自分の感情や回想

サビ=自分の願望の吐露、感情の爆発

※実際には、人それぞれ書きやすい方法が違うと思います。自分に合った書き方を見つけるためにもいろいろな流れを試してみると良いと思います。

・セクションの冒頭を決める

例えばまずサビの冒頭を決めるとします。
一番メインとなるシーンをイメージして、キーワードを軸に表現したいワンフレーズを考えてみましょう!
人/物」「感情の吐露」「言葉/会話」「動作/様子」「背景」を「どこからの視点なのか」ということを踏まえ、その時の心情や情景を表現できる言葉を、サビの頭に置いてみます。曲の中で一番重要な部分になるので、あらゆる組み合わせでの中から特に印象的な言葉や文章になるように狙って書いていきます。

例:
物/背景 → 「君がくれた耳飾り」「いつものベンチ」
感情の吐露 → 「届け!」「イヤだよ!」「いつまでもそばにいて」
人/動作 → 「遠ざかる君の背中」「君は唇かみしめて」
言葉 → 「ありがとう」「さよなら」「ほら見て!」
様子/背景 → 「真夏の空に降り注ぐ星たちは…」「遥か頭上を行く飛行機」
人/動作/背景 → 「青く吹き抜ける風に背中を押され走り出した僕らは…」
キーワードを繰り返す→「Fly high! Fly high!」「Positive Positive
Positive Thinking!」

・セクションを完成させる

セクションの冒頭が決まったら、それを広げたり掘り下げたりして詞を書き足してみましょう!

サビ一つとってものいろいろなパターンで構成されていることが多く、同じ内容でも工夫次第で何通りもの歌詞を書くことができます。その中から一番よさそうなものを選びます。
私の書いた「じてんしゃのうた」という曲のサビを例に挙げて見てみましょう。

踏み込むペダルの強さを
君のそれに合わせて
街を染める夕日は
二つの影を引き延ばしていく
風の音 君の声 
こんな時間が永遠に
続けば…なんて
いつもと同じこと話しながら



これをパーツごとに分解してみると

前半
「踏み込む~」+「街を染める~」 
後半
「風の音 君の声」+「こんな時間が~」


このように前後半パートで分けることができます。
言葉の量を多くするのか少なくするのかでも変わってきますが、それぞれに複数のパーツが含まれていることが分かります。

一つの言葉をひたすら連呼したり、似たような単語を並べたりだけでも面白いですし、長い文章ひとつだけというものも作れるでしょう。
実際にはいろいろなものを組み合わせて書くことが多いかと思います。

ここでポイントとなるのは、文章間の「つなぎ」や「脈絡」は無視してOKという事です。歌詞は物語の文章とは違い詩のように限られた文字数の中で表現するため余分なものは極力排除していく必要があります。
使うパーツを厳選して出揃ったところでそれらを順番に並べてみます。順番を並び替えてみると違った印象になり強調される部分も変わってきます。
こういった並べ替えも時に有効な手段となります。

・ほかのセクションを書く

1セクションができたら1番の完成を目指してほかのセクションを書き進めたり、2番の同じセクションを書き進めてみましょう!
1番と2番の内容は必ずしも変える必要はなく、「AメロBメロは変わるがサビは全く同じ」など、あらゆるパターンが考えられます。また、必要に応じてCメロやDメロを書くことも出てきます。

※実際には曲の長さやテンポなど、構成によって必要なセクションも変わってきます。


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